耐震改修

どのような方法で改修するかのご相談をさせていただきます。
屋根の和瓦を軽い金属に葺き替える、壁・天井・床を一部解体して補強壁を造る、
耐震用金物を柱の頭・脚に取り付ける、また戸袋をなくしてシャッターとし耐力壁を設けるなど、様々な選択肢がございます。
お住まいの状態によっては、これらの方法の組み合わせや、1つの工事だけで数値が確保できる場合もあります。

どうしても触れたくないお部屋がある場合には、その部屋を補強案に含めずに耐震設計を行うことも可能です。
お客様のご要望にできる限り沿った形で、最適な耐震改修プランをご提案いたします。


耐震改修の考え方と優先順位

項目 内容 優先度
劣化(傾き・蟻害) 建物の基本性能を回復させる 高い
壁を強くする 面材や筋かいなどで補強 高い
壁のバランスを整える 耐力壁の配置を見直す 高い
柱と基礎を金物で固定 ホールダウン金物等を取り付ける
基礎に鉄筋を入れる 無筋基礎への対応
基礎のひび割れを直す 部分補修や樹脂注入
屋根を軽くする 重い瓦屋根を軽量化 中〜低
2階の壁・屋根面を補強 水平構面・屋根面の耐力確保 低い


壁を強くする/壁補強の種類

補強方法として代表的なものをご紹介します。

壁補強の種類 説明
構造用合板 面材を貼って、面全体で力を受ける構造にします
筋かい 斜め材を設置して、地震時の水平力に対応します
リフォーム用工法 室内から施工でき、既存の壁を壊さず補強が可能です

 

壁補強で、強い壁の量を増やす・壁の配置バランスを整える

壁補強の種類(構造用合板・筋かい・リフォーム用工法)

柱と基礎を金物で固定する/接合部の改善

1995年の阪神・淡路大震災では、土台から柱が引き抜けてしまう「ホゾ抜け」が発生し、住宅が倒壊しました。
その後、2000年に建築基準法が改正され、ホゾ抜けを防止するためのホールダウン金物の取り付けが義務化されました。

ホゾ抜け説明画像

ホールダウン金物内付け
ホールダウン金物内付け
ホールダウン金物外付け
ホールダウン金物外付け

建物の外側から取り付けられる。外付け金物「いのちまもる」なら、手軽にホゾ抜け対策が行えます。

基礎を強くする、ひび割れを直す

基礎にひび割れが生じたままでは、せっかく壁や接合部を強くしても、その効果が正しく発揮されません。
ひび割れを直す、また無筋基礎の場合は有筋の基礎を抱き合わせるなど、足元をしっかりと改善しましょう。

基礎増し打ち
鉄筋を組んだ状態
基礎完成
増し打ち完了後

建物の一体性を確保する

柱や壁などの上下階の位置がずれていると、地震発生時に力がうまく伝わらずに被害を大きくする可能性があります。
それらの上下階の位置が一致するようにして、屋根・床・壁などの荷重と地震時に生じる力が円滑に基礎まで伝わるように、補強計画を立てることが重要です。

建物の一体性を確保する
 

外壁や床下の劣化を補修する

建物の外壁にひび割れがある場合、そこから雨水が浸入し、構造材の腐朽や白蟻の被害につながる可能性があります。 また、床下の湿気や土台の傷みも早期に発見し、適切に補修することが重要です。 そのため、耐震診断の調査時に劣化部分が無いかしっかりと確認し、劣化部分を改善することが重要です。 特に、浴室や洗面所等の水回りが集中する北側等は注意が必要です

外壁クラック 外壁クラック補修後
白蟻被害 白蟻補修後

屋根の劣化を補修する

屋根は重量が重いほど、支える壁(必要耐力)が多く求められます。
そのため、屋根を軽くすることも、耐震性を改善する一つの方法になります。

屋根の葺き替え

瓦屋根雨漏りも発生していた ガルバリウム鋼板で葺き替え完了

「プラスα 制震ダンパーで揺れを軽減!」
2016年4月に発生した熊本地震では震度7の揺れが2回も発生し、1回目の揺れでダメージを受けた建物が再び大きく揺らされることで倒壊被害が拡大しました。
そこで注目されているのが「制震ダンパー」です。
「ダンパー」と呼ばれる特殊な装置で揺れを吸収することで、建物に伝わる地震の揺れを軽減します。
耐震に制震をプラスアルファすることで、より安全・安心な住まいになります。

制震ダンパーイメージ