入口を入ると吹き抜けの19世紀ホール(エントランスホール)です。
いつもなら急ぎ足で作品展示場へ行くのですが、
今日は改めてじっくりと眺めてみました。
柱、窓、テラス、どれもバランスが取れて美しいですね。
そのまま緩やかなスロープを上っていくと
いつの間にか展示室に到着です。
優しく展示物を照らすように並ぶ白い連続窓、
違う世界に迷い込んだような錯覚を起こさせる仕切り、
ふっと気分転換させる幅の狭い階段と大窓、
コルビュジエは美術館にふさわしい
このような非現実の空間を創造しただけでなく
美術館が手狭になったら巻貝のように外側をぐるぐると
増築していけるようにも設計していたのです。
時間の先の先を見据えていた建築家と言えるかもしれません。
大感激の建物見学の合間にはしっかりと絵画作品も鑑賞しました。
ピカソ、モネ、クールベ、などなど
どれも素晴らしい作品ばかりです。
国立西洋美術館は戦後フランスに預けられていた私物財産の
松方コレクションを敗戦国の日本が返してもらうために
返還条件の一つとして作られた美術館です。
返してもらう為に、少しでもフランスの印象を良くするため、
日本人の弟子も多かったル・コルビュジエに
美術館の設計を頼んだそうです。
一歩間違えば美術品を没収されていたかもしれません。
この素晴らしい美術品を集めた松方氏のセンス、
そしてこの美術館を建てるために尽力した人々、
すべてに感謝です。
2016年9月19日(月)まで、
この世界遺産登録を記念して「ル・コルビュジエと無限成長美術館」
という催しをやっています。
東京方面に出る機会があればぜひ
美術鑑賞と「ル・コルビュジエ」の世界の両方を
楽しんでみてください。
館内は作品も含め、写真OK(フラッシュ不可)のところが多いです。
こんなところも普通の日本の美術館と違うかもしれませんね。

投稿者 : 西山(にしやま)
